落語で「葛根湯医者」という お噺をご存知ですか?
患者さんが頭が痛いと言って来れば、「葛根湯を飲みなさい!」
お腹が痛いと言って来れば、「葛根湯を飲みなさい!」
足が痛いと言って来れば、「葛根湯を飲みなさい!」
しまいには、付き添いできた人にまで「せっかく来たのだから葛根湯を飲みなさい!」
という感じで、どんな病気でもとりあえず葛根湯をすすめるというヤブ医者のお噺なのですが、
これもあながち嘘ではないですよ!というのが本日のお話です。
葛根湯は、葛根(かっこん)、大棗(たいそう)、麻黄(まおう)、甘草(かんぞう)、桂皮(けいひ)、芍薬(しゃくやく)、生姜(しょうきょう)という7種類の生薬で構成され、「発熱・悪寒・鼻水・のどの痛みなどのかぜの初期症状、鼻炎・中耳炎・結膜炎・角膜炎・扁桃炎・乳腺炎などの炎症、頭痛、神経痛、肩こり」といった症状の時に用いられます。
葛根湯は“かぜのひきはじめ”にだけ飲むものと思っていたら、結構広い効能があるのですね。
効果が幅広いのは、麻黄や芍薬が用いられていることで、頭痛や神経痛、肩こりにも効果が期待できるからなのだそうです。
この様に幅広い効能を持っていますが、葛根湯の最も重要な働きと考えられるのが「体を温めて体温を上げる作用」です。
体熱を上げることで効きくことから、元気な若者や体力のある中年の方など、熱を上げる体力のある人により有効とされています。
一方、冷え性の女性や体力の衰えた高齢者など、熱を上げる体力のない方では、効き方がいまひとつ弱い、とされています。この様な陰性体質の場合には、使い捨てカイロを貼りまくるとか、熱いはちみつレモンや生姜湯などで体の内外からしっかりと保温することが重要ですね。
また葛根湯の働きは体を温めることにより治癒力、免疫力を向上させて侵入したウィルスをやっつけることですから、同じ風邪の症状でも「青い風邪」に用いるお薬で、「赤い風邪」には用いるべきではないお薬です。
(以上、第一製薬HPより抜粋)
そして飲み方とタイミングですが、これは覚えていた方がいいと思うのです。
朝起きて、あっ、風邪かな?と思ったら即飲む。昼に飲んだのでは遅すぎて効かない。
そして2時間後にもう一度飲む。
というのが効果的な正しい飲み方なのだそうです。
なぜブログ2回にもわたり葛根湯にこだわるのか?
このコロナ禍で季節性の風邪すら引けない、引きずらい、という風潮が蔓延しているからです。
実際、咳き込んでいる人見たら避けますし、周りから普通に白眼視されます。
いまさら風邪ひいて抗生物質飲む人は少ないと思いますが、パブロンなどの市販薬を飲むなら葛根湯のほうが良い。なぜなら体温を高くする薬だからです。
整体でも風邪のひきはじめに肩甲骨間にある「肺兪」というツボにカイロを当てて温めるというのが基本的な処方です。体を温めるというのは万能なんです。
それでは今日のお話のまとめです。
『今年の冬は、コホンと言ったら葛根湯!』
次のブログは久しぶりに筋トレについてでも書こうと思います!