産後の骨盤・不妊症

不妊症と骨盤内環境

 戦後30年近く寿命が延び、社会のあり方が晩婚化〜35歳以上での初産が珍しくは無くなって来ている様ですが、妊娠適齢期としての卵子の寿命には以前と比べあまり変化はないそうです。

 

 

私の院には不妊矯正を受けにくる方が大勢来院されます。それは高度生殖医療に何度もトライしたが効を奏せず諦めたと言う方が見事に妊娠し、これは骨盤矯正の賜物であると信じて同じ様な境遇の方が紹介で来院して、同じ様に妊娠をして行くと言う繰り返しの中で、自然手技療法は不妊症にとって有益である、との評価をいただいた結果であると思っております。

 

 
幸い私のクライアントにマタニビクス創始者の田中ウィメンズクリニック院長の田中康弘先生始め数名の産婦人科の医師が通院してくれており、産科での細胞レベルにフォーカスを絞り込むステップアップ治療と対極である全身の筋骨格バランスを整え治癒力を高めて行こうとする自然手技療法は、産科での治療と並行して行う事により必ずや高い効果を奏するであろう、とのご指導をいただき、その後、今迄勝手連的に増えていったクライアント方の意向に添えるべく研究を重ね「骨盤内環境を整える不妊矯正」というカテゴリーを集大成したのが思い返せば数年前に遡ります。 

 

 


自然手技療法が考える妊娠とは一言で言うと「畑と種」。水分、栄養分が豊穣な土地に種子をバラ撒けば放っておいても発芽するが、荒野の様な荒れ果てた土地に種を撒いても発芽は難しいと言うのが自然の摂理で、そこに化学薬品などで無理矢理発芽させてもはたして健康的で美味しいキュウリや茄子などが育つのであろうかと言う様に考えます。 

 

 


種は精子、畑とは女性の骨盤内〜子宮〜子宮内膜の状態です。種が不良の場合には生きの良い一匹を捕まえての顕微授精が有効だと思われます。しかし子宮内膜の状態を改善するには内蔵下垂などを運動療法により改善し、手技療法により左右の股関節のアンバランス、仙腸関節のアンバランスを解消して骨盤内の血流を改善し、自律神経バランス、ホルモンバランスを整え、並行して食生活を改善して細胞レベルから肉体を変革して行く自然手技療法がとてもお役に立てると自負しております。 

 

 


この様に骨盤内環境が整い自然治癒力〜生命力が整った結果妊娠する、これは理想的ではないでしょうか。 

 

 


又自然手技療法のもう一つの利点は「産後の矯正」が出来る事です。産科や小児科はありますが、出産後の母親の体のケアーをする科はありません、しかし骨盤の開いた状態で腰に高負荷の掛かる前傾姿勢での乳幼児の世話を毎日取り続ける母親の体の負担は著しいものがあります。

 

 

骨盤の歪みのリセットワークを中心に全身の筋骨格バランスを整えて行くと目を見張る程の効果が現れます。元気になるのです。おもしろい事に、目の中に入れても痛くない程かわいい赤ちゃんがお母さんの体力が底をついた瞬間に「うるさい!」となります。また別の面では審美的な事があります。産後の矯正後、履いていたパンツがその場でブカブカになる位サイズに変化が出る事は珍しくありません。子供の情緒の発育の為にも、審美的な改善の為にも母親は自らの体のケアーに充分な投資が出来る事がどれ程好ましい事でしょうか。 

 

 


またこのような症例を通して、骨構造の矯正と言うヘルスプロモーションを、痛みに対する処置だけに留まらずに、新たな認識をお持ちいただく事が出来れば、手技療法家としてこんなに嬉しいことはありません。

 

 

 


関連記事

TOP