産後の骨盤・不妊症

葉酸摂取量と受精率の関連     不妊治療と自然療法

 前の記事と出所を同じくするものですが、こちらは高度生殖医療に於ける葉酸に関しての記事です。葉酸の不足は先天的異常を生じるハイリスクのみではなく、生殖細胞の発育全般に影響があったり、逆に妊娠後期にはアレルギー発症を高めるなどのリスクがある様です。

 

 

 

 

 

▼葉酸摂取量と高度生殖補助医療における受精率との関連

・葉酸の摂取量が多いほど体外受精の受精率が高くなる。

ハーバード公衆衛生大学院とマサチューセッツ総合病院の研究チームは、これまで食生活と生殖能力の関係について、多くの疫学研究や臨床研究の結果を報告しています。

今回は葉酸の摂取量と高度生殖補助医療の受精率の関係について発表しています。

試験は、ハーバード公衆衛生大学院が実施している環境中の物質と生殖能力との関連を調べることを目的に実施されている、「EART Study」という疫学調査に参加していて、マサチューセッツ総合病院で体外受精や顕微授精を受けている145名の女性の205治療周期を対象にしています。

疫学調査に参加している女性だからか、毎日の葉酸摂取量は多く、平均の摂取量は1843mcg(265-5586mcg)で、その74%は葉酸のサプリメントから摂取していたとのこと。

そして、葉酸摂取量で4段階のグループに分けて、受精率との関連を調べたところ、葉酸摂取量が増えるにしたがって、受精率も高くなることが確認されたというのです(77%、81%、84%)。

ただし、受精以降の治療成績との関連は認められなかったと言います。

このことから葉酸の摂取量は高度生殖補助医療における受精率と有意に関連すると結論づけています。

◎葉酸の補充について

葉酸は細胞が分裂する際にDNAが正しくコピーされるのに必須の栄養素であることから、葉酸が不足すると子どもの先天異常のリスクが高くなることから、厚生労働省も妊娠前から葉酸を補充することを勧めています。

ただし、葉酸の役割を考えると、葉酸の不足は特定の先天異常のリスクを高くするだけでなく、生殖細胞の成育全般に影響を及ぼすはずです。

その証拠に葉酸の摂取は体外受精時の卵の発育環境を向上させるとの報告がこれまでにも多くなされています。

ただし、その一方、妊娠後期になると葉酸の過剰摂取が子どものアレルギー発症リスクを高くするとの報告もありますので、特にに妊娠後は1,000mcg以上の葉酸を補充することは避けたほうがよいとされています。

 

 
 

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