『以下は「まだ、肉を食べているのですか」 ハワード・E・ライマン&グレン・マーザー著からの要約抜粋。何度も書いているように私は肉食は否定しません。しかし今の肉は相当ヤバいですよ♪。
もしあなたがアメリカ人で肉食主義者(ミート・イーター)であれば、次のことを知る権利がある。それは、あなたが食べたほとんどの牛に共通する真実で、つまりあなたが食べている牛も「肉を食べている」ということだ。牛が屠殺されると、その重量の半分は食用にはならない。つまり腸や内容物、頭部、ひづめ、そして角などで、骨や血も「食べられない」。そこでこれらは、「レンダリング・プラント」(動物性脂肪精製工場)というところに運ばれる。そして巨大攪拌機(かくはんき)に投げ込まれる。ついでに言うと、「病気で死んだ牛は丸ごと放り込まれる」。
このレンダリング・ビジネスは、今や年間24億ドル強という売り上げの巨大産業となっている。そこでは年に400ポンドもの動物の死体を処理している。ひどい病気に罹った動物や癌になった動物、腐りかけた死体などのすべてが攪拌機に投げ込まれる。農場で死んだ家畜以外にも、動物保護施設で安楽死させたペットたちが、毎年600万から700万頭もの犬や猫たちがここに運び込まれる。ロサンゼルス市だけでも毎月、約200トンもの犬や猫の死体の山がレンダリング工場に送られている。それらには動物管理局に捕獲されたノラ犬やノラ猫、そして車で撥ねられた死体も入っている。
この「混合物」はレンダリング工場でミンチに刻まれ、高温蒸気で「調理」される。そして、軽い脂肪分が表面に浮いてくる。それらは化粧品や潤滑油、石鹸、ろうそく、そしてワックスの原料などに精製される。それ以外のより重いたんぱく質の原料などは、乾燥され、茶色の「肉骨粉」に加工される。そしてその約4分の1は、糞便である。その「肉骨粉」は家畜の飼料と同様に、ほとんどのペットフードの増量材として使用される。これが、農家で「濃縮たんぱく」と呼んでいるものだ。
1995年だけで屠殺場から約500トンもの、「食べられない」残り物が出ており、それらがこうして処理され、全米の動物たちの飼料として売られていく。私もかつて、そんな「エサ」を何トンも家畜のために買ってきた。しかし、「牛」を「牛」に食わせていたとは夢にも思わなかった。1997年8月にBSE、いわゆる狂牛病への不安が巻き起こった。これに対して米食品医薬品局は新しい規制を作り、牛などの反芻(はんすう)動物のタンパク質を、反芻動物に与えることを禁止した。しかしこの規制は形だけであったので、牛たちは今もミンチになった馬や犬、猫、豚、鶏それに七面鳥などの死体を食べている。それだけではなく、牛の死体から選別された血液成分や糞便まで食べているのだ。
たとえばアーカンサス州の平均的な農場では、毎年50トン以上の鶏の糞便を牛にエサとして食べさせている。その農民たちはこう釈明する。「鶏の糞がなかったら、俺らの飼っている牛の半分は売るしかないさ。他のエサは高すぎて買えないんだ。」 もしあなたが肉が大好きな「ミート・イーター」なら、これらの糞便が、あなたの食べ物の「食べ物」であることをしっかり覚えておいてほしい。アメリカで生産されるほとんどの肉が、ダイオキシンなどの発ガン物質で汚染されている。これは除草剤の一つで米軍が枯葉剤としてベトナム戦争時に用いたエージェント・オレンジに近い化学構造を持つ。さらにDDTがある。これは25年以上も前に、国内では禁止された悪名高い農薬だ。しかも未だに地中に残留している。困ったことにこの化学物質はなかなか還元されず、この先数千年にわたり残り続けると言われている。
しかも家畜用穀物は、人間用に比べ、びっくりするほど高濃度の農薬残留が許可されている。アメリカで消費される農薬の約80%は、たった4つの穀物をターゲットにしており、それがとうもろこし、大豆、綿花、そして小麦だ。つまりこれらは家畜に与える主要穀物である。そして家畜だけでなく他の動物は、農薬など他の毒性物質にまみれたエサを摂取するたびに、それらを脂肪に蓄積させる。だから家畜が、ほかの動物たちの肉から作られたエサを食べるとどうなるかというと、家畜が最大レベルの発ガン物質をたっぷり濃縮して脂肪に蓄え、それを我々が食べることになる。つまりたっぷり濃縮された発ガン物質が戻ってくることになる。ある面、これで「おあいこ」なのだ。
1975年に「環境の質に関する評議会」は次のように報告した。「人間が摂取したDDTの95%は、酪農製品と肉製品に由来する。」 もちろん我々の環境の中には数多くの発ガン物質が存在する。その発がん性物質が癌を発生させ、それが人を殺すほど成長するまでに10年、20年、あるいは30年の年月がかかる。だから癌の原因物質を科学的に特定することはできない。しかし今世紀、人類の人口に占める癌発生率は天井知らずに爆発的に増え続けているのだ。』