「免疫」と検索すると、
真っ先に出てくるのは
-
免疫を高める
-
免疫アップ
この言葉たち。

確かに、私たちの身体は
ウイルスや細菌から身を守るために
免疫システムという精巧な防御網を持っています。
インフルエンザ、コロナ、季節性の風邪。
最終的に行き着く答えはいつも同じ。

「敵をどうにかするより、自分の免疫を整えることが大切」
免疫、すごい。
頼もしい。
拍手です👏
……ですが。
免疫は「強ければいい」わけではない
ここ数十年で、
この常識が静かに揺らぎ始めています。
なぜなら――
免疫が“暴走する病気”が、驚くほど増えているからです。
先進国を中心に増え続けている
「自己免疫疾患」。
本来は外敵を攻撃するはずの免疫が、
なぜか自分自身を敵と認識してしまう。
守るはずのシステムが、
自らを壊し始める。
これはもはや、
日本でも無視できない社会問題です。
だから今日お伝えしたいのは、これ。
免疫を高めること以上に、
免疫の暴走にブレーキをかけることが重要である

そもそも「免疫」とは何か?
少し整理しましょう。
免疫とは、
-
白血球(好中球・リンパ球・T細胞・B細胞・NK細胞)
-
単球/マクロファージ
-
皮膚・粘膜というバリア
-
抗体、補体、サイトカイン
-
腸内細菌
これらすべてを含む
巨大な司令ネットワークです。
平たく言えば、
病原体から身体を守るための総合防衛システム
そして、その中核にあるのが
腸内環境。
これはもう、何度聞いても大事な話です。
腸内細菌 × 免疫 = 生命防衛の最前線
私たちの腸内には、
-
約100種類
-
約100兆個
もの細菌が共存しています。
この「腸内細菌(マイクロバイオータ)」が
免疫細胞と絶妙な連携を取りながら、
-
これは敵か?
-
これは味方か?
-
攻撃すべきか?
-
見逃すべきか?
を判断している。
この判断力こそが免疫力です。
だから多くの場合、
ウイルスは体内に侵入しても発症せずに済む。
ありがたい。
本当にありがたい存在です、免疫❤️

問題は「免疫の暴走」
現代社会で特異的に増えているのが、ここ。
本来は「非自己(敵)」を攻撃する免疫が、
異常なシグナルを出し、増殖し、
自己組織を攻撃してしまう状態。
これが
自己免疫疾患です。
身近な例を挙げると、
-
アレルギー
-
喘息
今や、
-
子どもの約4割
-
大人の約3割
が何らかのアレルギーを持つと言われています。
私自身も
ブタクサやヒノキで鼻水と格闘します。
……免疫、ちょっと張り切りすぎです😭

自己免疫疾患は「文明病」
興味深い事実があります。
-
辺境地域ではほぼ見られない
-
途上国で増え始め
-
先進国で爆発的に増加
しかも、
1940年頃までは極めて稀
1950年以降に急増
1990年代半ばで増加率が頭打ち
これは何を意味するか。
遺伝的に発症しうる人は、
すでにほぼ全員が発症してしまった
……なかなかに衝撃的です。
さらに、
-
1型糖尿病
-
関節リウマチ
-
シェーグレン症候群
-
橋本病
-
バセドウ病
-
多発性筋炎
いわゆる「難病」とされるものの多くが、
実は免疫の暴走によって引き起こされています。
これはもう、
個人の体質の問題ではありません。

鍵を握るのは「ある腸内細菌」
では、なぜ免疫は暴走するのか?
ここで登場するのが
クロストリジウム菌。
この菌が少ない人ほど、
自己免疫疾患を起こしやすいことが
分かってきました。
クロストリジウム菌は、
-
Tレグ(制御性T細胞)
という
免疫のブレーキ役に信号を送ります。
Tレグは、
大阪大学 免疫フロンティア研究所
坂口志文教授が発見した、
ノーベル賞級の存在。
流れはこうです。
-
クロストリジウム菌が物質を放出
-
Tレグがそれを受け取る
-
暴走する免疫細胞を抑制
-
自己組織への攻撃が鎮静化
……すごくないですか?
菌、仕事しすぎ。

腸内環境を壊す二大要因
では、なぜこの大切な菌が減るのか。
主な原因は2つ。
① 不要な抗生物質
風邪はウイルス。
抗生物質は細菌。
なのに処方される不思議。
最新の医学を学び続けている医師ほど
風邪に抗生物質は出しません。
医療は日進月歩。
患者側も「選ぶ力」が必要です。
② 食物繊維不足
いわゆる「食の欧米化」。
-
食物繊維が少ない
-
脂質が多い
これは腸内細菌にとっては
過酷な環境。
全粒穀物、海藻、きのこ、
そして発酵食品。
日本の伝統食は、
腸内細菌の理想郷です。
まとめ
私たちの体内では、
ミクロの世界で壮大なドラマが繰り広げられています。
健康とは、
それを邪魔しないこと。
今日の結論はシンプルです。
免疫を煽るな、整えよ。
食物繊維と発酵食品を味方にし、
無用な抗生物質と過度な除菌は控える。
免疫は、
強さよりも賢さが大切。
あなたの体は、
あなたの選択で守れます。
以上です。
次の健康ブログは体内ネットワークについてかな。
脳を返さずに臓器同士が情報交換し合っているなんてメチャクチャ面白く無いですか!