少々難しいですが、個人的に興味大!なミトコンドリア。
かなりムムムッな記事だったのでシェアリングいたします。。
(辻先生のフィードから)
10月末、雑誌『Nature』に発表されたこの論文は、ある意味『驚愕』だと思う。
「ミトコンドリア・イヴ」と呼ばれるように、細胞のエネルギー工場であるミトコンドリアは「母性遺伝」であり、母親にこの障害がある場合には確実に遺伝する。
この論文では、ついにミトコンドリアに障害を持つ母親から染色体を抜き取り、他人の細胞に移し替えることに成功したという。
これはどういうことかと言うと、ミトコンドリアは独自の遺伝子『ミトコンドリアDNA』を持ち、そこにはミトコンドリアが脂肪や糖からATPを作り出す為に必要な酵素を作る遺伝子(設計図)が組み込まれている。
「親とは何か?」という定義になるだろうが、『父と母の遺伝情報MIX』である核遺伝子(ゲノム)を取り出し、正常なミトコンドリアが存在する『他人の卵子』に移植するという方法。
こうすることにより、生まれる子供は「ミトコンドリアに障害のない子供」となるが、当然『母とは違うミトコンドリア遺伝子』を持つこととなる。
ミトコンドリア遺伝子が「世界中に7種類しか存在しない」と言われるように、ミトコンドリア遺伝子は両親の遺伝子MIXにより変化/進化してきたものではない。
あくまでも『母からの受け継いだもの』という考え方からすれば『母と同じである必要はない』とも言える。
優秀なミトコンドリアを持つ細胞は『すべての細胞が優秀である』とも言える。
全身の細胞は「1個の細胞から派生したもの」であるから、その細胞が「優秀なエネルギー産生能力を持つミトコンドリア」であれば、その細胞が優秀であり、その集合体である人間は『高いポテンシャルを持つ人間』ということだ。
イメージが湧かないかもしれないので、少々こじつけて説明すると、両親の遺伝子が『ドライバー(運転手)』だとすると、ミトコンドリア遺伝子は『自動車』という感じ。
ドライバーが少々ショボくても、最高のマシンを与えられれば、それなりに高いポテンシャルで走ることができる。
近い将来『世界一優秀なミトコンドリアを持つ卵子』に対し、両親のDNAを体外受精させるということに発展するような気がしてならない。
人間のポテンシャル自体を変化させる『ヒューマン・デザイン』という世界に突入するのは少々恐ろしい。