妊娠中の腰痛、肩こり

自然分娩と帝王切開

 何がなんでも自然分娩を行ないたいと、徹底した自己管理に走る方がいます。

 

 

ですが、別に何も自己管理などしなくとも出産の9割は医療介助の無い自然分娩で産まれます。

 

 

よって自然分娩が自己管理の賜物なのか?というと、よくわからない、という所ではあります。。

 

 

しかし妊娠中の運動と食事のコントロールは、確実に安産に繋がります。

 

 

ここで良くないのが、帝王切開に敗北感を抱いてしまうことです。

 

 

確かに経膣分娩に比べて、帝王切開は母体に負担がかかります。

 

 

しかし母子両名の命を守る為に、間違いなく必要な技術でもあるのです。

 

 

これは当院に通ってくださっている産婦人科の先生の話です。

 

 

「22〜3歳でのお産は極端な話、半分居眠りしていても大丈夫。しかし、高齢出産ではそうはいかない。最後の最後まで何が起こるか想定不可能です。何か起きてから慌てて血管確保に走っても血圧が低下していればそこで手こずる。ほんの少しのタイムラグが命に直接関わるのです。ですから高齢出産では最後まで気が抜けません。最初からあらゆるリスクを排除出来る、最高の医療体制を整えた上での出産をするべきなのです。」

 

 

僕はもっともだと思います。

 

 

助産院で、自然分娩で、など、いろいろな出産スタイルを希望する選択肢が用意されています。

 

 

いいと思います。

 

 

しかし、別の角度から見てみると、この様に産みたいというのはあくまで親のエゴである、

 

 

という見方も出来るのです。

 

 

日本では、出産で命を起こす確立はゼロコンマ数%、出産する側にとってはかなり低確立のロシアンルーレットをする様なものですが、1日に何件も出産に立ち会っている医療者は、確率的に年に数件、出産時に命を亡くす場面に遭遇するのです。

 

 

分娩時まで「順調」に育っていた命が、最後の最後で無くなってしまう悲しみはどのようなものでしょうか。

 

 

そのような、あまりにも深い悲しみに遭遇しなくてはならない医師とは本当に過酷な職業です。

 

 

その辺りに産む側と医療者との間に温度差が生じる原因があるのかもしれないな、と思うのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

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